「農」を通して子どもたちの「心」を育む

(なにわの農業塾2015 第5回「教育」 2015.3.14)

農+教育

スーパーの食べ物にしか触れる機会のない都会に住む子どもたちは、野菜がどうやって作られるのかを体感する機会がありません。そんな中、子どもたちの心と体を育む「農を通した食育」が重要になってきています。子どもたちが農業に関心をもつことは、後継者不足という深刻な課題を解決するためにも重要になってきます。
最終回は、大阪や東京を拠点に「農」をテーマに子どもの食育に取り組む福本さんに、市内農業が未来のために果たすことができる可能性についてお話しいただきました。

農+教育

子どもたちへ教育の場を提供したいという想いや、都会の子どもたちの土離れに対する危機意識は、参加していた農家のみなさん共通でした。

これからの社会で必要なのは、
それぞれが得意なことを活かし共に創ること。

私が食育をはじめるきっかけとなったのが、アリス・ウォータースのエディブルスクールヤードという取組を知ったのがきっかけでした。オーガニックレストランのシェフであった彼女は、荒れた中学校の駐車場を農園にするように提案し、実現してしまいました。子どもたちはその畑で、野菜を育て、育てた野菜使って調理するという連続したカリキュラムの中で、地理や算数などの教科も学んでいきます。荒廃した中学校はみるみる更生していきました。
この取組から気づいたのは、教室の中だけでは教えられない学びがあるということです。「トマトの色は赤色」を正解にするのが学校教育。
しかし実際は赤色だけが答えではなく、育つ過程の未熟な黄色や緑色も正解ですよね。日本の学校の教育では、決まった答えを正確に答えられることが重視しされます。そうした知識を教える教育も必要ですが、そこを重視しすぎると、適応できなかった子どもが救われる環境があまりにも少ない。
学び方は一つではないと思います。教科書が無理な子は、別の方法で学べば良い。大人がそれを準備できるかが重要です。

農+教育

福本さんが展開しているプロジェクトの教育の考え方を、どうやって活かしていけるのか、参加者全員で考えました。

大阪市内の農地でできる教育の可能性

農業には、あらゆる教育的な可能性があると感じています。
五感をフルに使いながら、農作物を育てる過程に学校教育の5教科を取り組むことも工夫次第で可能です。さらには種まきから収穫まで本当にたくさんの仕事がある中で、子どもの得意不得意に合わせて役割分担をし、みんなでつくりあげる機会を提供することもできる貴重なフィールドだと思います。
街との距離が近い、市内農地では子どもたちが土に触れる経験をつくることができ、農を通した心を育む教育を提供することができますね。

農+教育

2015年度の「なにわの農業塾」はこの回で終了。農業の可能性を広げる全5回のカリキュラムでした。今後は、これからどう実際の活動に活かしていくかが課題です。

福本 理恵

guest’s profile

福本 理恵さん

東京大学 / 子ども食育マイスター
https://rocket.tokyo
東京大学先端科学技術研究センターの交流研究員を経て、東京大学大学院博士課程に進学。
土に触れ野菜を育てることや、 豊かな食を五感を使って感じることを通した子どもの心の教育をテーマに、「種から育てる子ども料理教室」を企画・主宰。 先端科学技術研究センターで、「異才発掘プロジェクト:ROCKET」のカリキュラムを開発中。

2016.2.9
from "Osaka City Farmers Report 2015"

料理の力で生産者と消費者をつなげる

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